千年堂時計修理オーバーホール

長く時計を使うために

時計を長く使うためには、正しい使用方法、保管方法を知る必要があります。
ほとんどの人は時計本来の保管方法を知らず、時計を乱暴に扱ってしまいます。
定期的にオーバーホール、点検をしているのであれば問題はありませんが、
オーバーホールや点検をあまりしない人は、急に時計が動かなくなった、ゼンマイを巻いてもすぐ止まるなど、不具合が発生します。
そうならないためにも、定期的にオーバーホール、時計の保管方法が大切になります。
ここでは正しい保管方法について解説していきます。

 

 

 

時計を保管するための4つのポイント

 

 

1.ベルト、ケースの汚れや湿気は完全に落としておく
時計を長期保管する場合は、ケースやブレス、革ベルトを確認しましょう。
汚れや汗などの水気が残っていないか、残っている場合、セーム革など研磨がない布で丁寧に拭き取りましょう。
汚れや水気が残ったまま保管すると、サビやカビなどが発生したり、雑菌が繁殖して肌のトラブルを引き起こすおそれがあります。
時計専用のクロスで汚れや水気を拭き取ったら、日陰の風通しの良いところで乾燥させてください。
水気や汚れが取れにくいコマの間やベゼルなどは綿棒を使って念入りにお手入れしましょう。

 

 

2.1ヶ月に1度はゼンマイを巻いて時計を動かしておく
大切な時計だから最初だけケアして、放置していれば大丈夫!というわけにはいきません。
時計は長期間使わずにいると、内部の機械油が固まってきます。
油の劣化は部品間の摩擦が大きくなり、その影響で動かなくなったりといったトラブルを招く可能性があります。
それを防ぐためにも、自動巻き時計の場合は1ヶ月に1度はケースからだし、ゼンマイをいっぱいまで巻くことが重要になります。
ゼンマイを巻いて1日ほど動かせば、ほとんどの部分が再稼働し、油も適切に循環していきます。
油の凝固や劣化にも気をつけて時計を定期的にチェックしましょう。
また、クォーツ時計の場合、長期間使わないのであれば、電池の液漏れを防ぐために電池は外しておきましょう。

 

 

3.湿気・磁気のある場所や高温や直射日光のある場所では保管しない
時計を保管する場合は、湿気や磁気のある場所、直射日光や高温な場所は避けましょう。
湿気はサビやカビの元にもなり、直射日光は変色や変形が起きたり、高温は文字盤などの塗装面に影響を与えるおそれがあります。
また、パソコン、テレビ、携帯電話、AV機器などといった強い磁気を発する製品のそばに時計を保管することもNGです。
金属の機械部品が磁気を帯び、精度異常や動作不良などを引き起こす可能性があります。
また、タンスやクローゼットの扉の磁石部などにも注意が必要です。
タンスやクローゼットの扉の磁石部は強い磁気を発するので、こういったところに保管する場合は、できるだけ扉の磁石部から離して保管するようにしましょう。

 

 

4.使い始めの精度や操作に違和感がある場合は、すぐに使用停止する
長期間時計を保管し、久々に時計を身につける時は、その時の時計の状態もチェックしましょう。
リューズやベゼル、プッシュボタンなどの操作に違和感を感じたり、重かったりと以前使用していたときと違う場合は、保管中にサビや油切れといったトラブルが発生している可能性があります。
これらの違和感を軽視して使い続けると、深刻な故障になるおそれがあります。
少しでも違和感を感じたらすぐに使用をやめ、当社やメーカーなどの時計修理会社に相談するようにしましょう。